蕎麦屋のラーメン?
そう見えるかもしれません。
けれど私は、ラーメンを作ろうとして始めたわけではありません。
ラーメンの本質を知るおこがましさは、ございません
いつものように、粉を選び、
いつものように、水を入れ、
いつもの手で打っただけです。
ただ、蕎麦粉ではなく、
国産小麦を打った。
手が決めた、加水率55%
十割蕎麦を打ち続けて十四年。
その間に覚えたのは、数字に手を合わせることではなく、
粉と水の間に生まれる、わずかな違和感を探ることでした。
小麦にも、手の感覚だけで水を入れました。
生地が心地よいところで止め、
あとから測ってみると、加水率は55%。
55%を目指したのではありません。
手が選んだ場所が、55%だったのです。
十四年連れ添った、出汁とかえし
麺が小麦に変わっても、
出汁は、いつもの蕎麦出汁です。
鰹、昆布、干し椎茸。
つゆには、十四年間連れ添ってきた「かえし」を使います。
新しい料理を始めるときにも、
困ったときにも、
ここへ戻れば安心できる。
高のにとって、信用のある味です。
違うのは、新鮮な鶏油を加えること。
それだけで、いつもの蕎麦出汁に、
小麦を迎えるための温かさと香りが生まれます。
出汁を冷まさず、小麦を生かす
温かい出汁へ、麺を沈めたままにはしません。
出汁を冷まさず、
小麦の香りと手打ち麺の食感を生かすため、
一口ずつ、つけていただく。
これは、十割蕎麦を最後まで温かく味わうために、
高のが続けてきた「鍋蕎麦」の様式です。
ラーメンの食べ方を借りたのではない。
蕎麦屋が、自分の道具と技術と味をたどったら、
この形になりました。
もう一つのつゆ、まめつゆ
温かい蕎麦出汁と並ぶのは、
冷たい「まめつゆ」です。
大豆をすり、蕎麦つゆと合わせる。
日本の郷土料理「呉汁」から生まれた、
高ののGODJIRU STYLE。
温かい一汁と、冷たい一汁。
二つのつゆを行き来しながら、
小麦の甘み、香り、余韻を味わっていただきます。
変わったのは、粉だけ
出汁も、かえしも、道具も、食べ方も、
十四年間積み重ねてきた蕎麦屋の仕事です。
変わったのは、
蕎麦粉を打ったか、
小麦を打ったか。
それだけです。
だから、これは町蕎麦のラーメンではありません。
ラーメンと競うための一杯でもありません。
蕎麦屋がラーメンを真似たのではなく、
蕎麦打ち職人が、自分の手のまま小麦へ進んだもの。
小麦蕎麦 宣言
蕎麦屋が、
蕎麦の技術と思想で小麦を打つ。
蕎麦出汁と、十四年のかえし。
鍋蕎麦の様式と、呉汁から生まれたまめつゆ。
この一食を、高のは、
「小麦蕎麦」
と呼ぶことを、ここに宣言します。
火曜日だけ、
蕎麦粉を小麦に持ち替える。
その先に何があるのかは——
店で、確かめてください。
亀戸養生料理 鍋蕎麦屋高の
店主 高野定義
店舗案内
毎週火曜日 9:00〜13:00
週に一度・限定30食
国産小麦100%・棒打ち手打ち・加水率55%
メニューは、ひとつだけ
抜粋
蕎麦屋のラーメン? 十四年間、十割蕎麦を打ってきた手で国産小麦を打つ。蕎麦出汁、十四年のかえし、鍋蕎麦の様式から生まれた一食を、高のは「小麦蕎麦」と宣言します。
スラッグ
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タグ
小麦蕎麦、蕎麦屋のラーメン、手打ち麺、加水率55%、蕎麦出汁、かえし、鍋蕎麦、まめつゆ、呉汁、亀戸





